使命とともに
ビジョンと利益を実現させる、事業化コンサルタントの和田です。
高価格化について、「高価格化1~16」とシリーズでお伝えしてきていました。
これらは、すべて、「あり方」と「やり方」について話しています。
今日は、自分のビジネスや業界からはなれていただき、世の中にある収益を生む源泉のなかで自分はどこに位置しているのか、を俯瞰してみる視点をもっていただくための書籍をご紹介します。
一段高いところから自分の儲け方を見直す発想に出会う
エイドリアン・スライヴォツキー著
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
邦訳2002年出版
この本は、収益の源泉を23のパターンで示している、ビジネスモデルについての名著です。
大規模な製造業の企業が、過去儲けてきたビジネスモデルを分類しているだけ、ともしかして感じられるかもしれません。
それでも、サービス業や中小企業の経営者にも、わたしがこの本をおすすめしたいのは、そもそも値上げを考える根本に、収益をあげたいという考えがあわたしたちの視点をひろげてくれるからです。
その収益は、どんな仕組みで成り立っているのかを、ビジネスモデルはみせてくれます。
ビジネスモデルはは、立地や、商品や、店舗の外装や、広告などといったレベルとは違う、一段上にあります。
ビジネスモデルをたとえていうなら、顧客からいただいたお金が最大限利益につながる海はどこかを高台から探す視点です。
この本からは、いま自分たちが立つ業界の儲けのしくみ以外に、どんな儲け方があるのか、他業界の儲けのしくみをみわたせます。
世の中にはは、顧客からお金をいただくポイントはこんなにたくさんある、ということを、まず23のパターンをみわたしながら、ご自分の生活体験からふりかえりつつ実感していただけるのです。
他の儲けのパターンにふれると、いまの自分の収益を上昇させるのは、もしかしてただ値上げするだけでなく、顧客からお金をいただくパターンを変えることでも実現するな、という道にたどりついていただきやすくなります。

顧客からお金をいただくパターンを考え直すきっかけの読書にするために,本書を読むとき、次の2つの質問してみてください。
今の自分の業界があてはまるのはどのパターン?
自分がいまおこなっている事業の立ち位置が、俯瞰すると、よくみえます。
古典的な儲け方だなあとか、お、結構新しい儲け方してるな、とか。
大抵は、業界の商習慣にのっとって収益パターンは決定されています。
あなたのところは、この23パターンのなかでは、どれにあたりますか?
それとも、あてはまりませんか?
わたしの考えでは、サービス業は、売り切り1回の古典的な儲けのしくみのところと、儲けどころをいくつもパターンをもっているところがあり、そのなかで規模が小さいほど、古典的な儲けのしくみのみでまわっている企業や事業所が多いです。
あなたが「いいなあ」とおもった理想の儲け方はどれ?
読んでいると、ちくしょー、この業界おいしいなあ! と感じられるパターンにきっと出会うとおもいます。
その理想に見えるパターンに、自分の提供するサービスをあてはめてお金をいただくことができるようになるにはどうしたらいいか、考えてみましょう。
この作業をすると、あたらしいメニューが、わんさか出てきますよ。
たとえば、あなたが美容室なら、「スイッチボード利益モデル」を読んだとき、シャンプーソムリエのサービスをおもいつくかもしれません。
ただ、これが、ディーラーをおこらせたり、顧客にとって選択の楽しみを奪うよけいなおせっかいになったり、思いつきが実際に利益を生むいいサービスではないかもしれません。
でも、顧客から利益をいただくポイントは、いまの自分のやりかただけではないという視点がうまれたら、新しいポイントを探したくなるのは止められません。
儲けるポイントをどう変えるかについて考えるスプリングボードにしてほしいという点、実は著者も言っています。
「利益というのは、モデルや方程式というよりも考え方が。物理学が物理のエネルギーについておしえてくれるように、利益は経済のエネルギーを教えてくれる。利益がないということはエネルギーがないということだ。未来を戦う能力もなければ、未来を作り上げる能力もないということだ。収益性を追求することは、高い利益はどこでどのように発生するかを常にといかけながら、考える日々変えてゆくことなんだ。
『利益はどこでどのように発生するか?』と5回問うてみる。5回目になってようやく答えに少し近づくことができるだろう。」
いまの儲けのパターン以外にもっといいパターンを見つけるきっかけになる、とおもったら、経営者のあなたなら、読まずにいられない本ですよね。
わたしは、この本、「ずっと置いておきたい本」のひとつにしています。
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5年後に理想の事業に成長させたい社長を応援します!
http://5years.net/
和田美香
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